第2回鎌倉世界遺産登録推進に向けての中学生作文コンクール
入賞作品集の発行にあたって
若い力で鎌倉を世界遺産に!
鎌倉市青少年指導員連絡協議会
会長 石井 英明
平泉の例に見られるように、登録候補地に対するユネスコ世界遺産委員会の評価基準が上がり、審査が極めて厳しくなって来ています。
従って、鎌倉市は登録実現への確実性を図るべく、文化庁への推薦書案の提出を約1年遅らせ、今年の夏頃の提出を目途に現在その内容の見直し作業を進めています。
当然ながら登録目標の時期も当初の平成22年度中から少なくとも2年程度は先延ばしになると共に、登録実現の可否も全く予断を許さない状況にあります。
そのような中にあって、私ども鎌倉市青少年指導員連絡協議会は、鎌倉の若い力で世界遺産登録推進活動の後押しを一層図るべく、
平成19年度に続き鎌倉世界遺産登録推進協議会・鎌倉市・鎌倉市教育委員会・鎌倉ペンクラブ・鎌倉市中学校校長会のご協力を頂いて、鎌倉市内の中学生を対象に作文コンクールを実施することができました。
テーマを「鎌倉を世界遺産に!私の提案」に設定したため応募が心配されましたが、それにも拘らず各中学校のご協力もあり324点もの素晴らしい内容の作品が寄せられたことは誠に喜ばしい限りで、また大変嬉しく思いました。
この作文集には残念ながらその中の入賞作品の僅か12点しか掲載できませんが、応募者全員に対して心から敬意を表するとともに、関係各位のご協力・ご後援に厚く感謝申し上げる次第です。
尚、2年間続けて選考委員長をお引き受け頂いた鎌倉ペンクラブ会長の早乙女貢先生が、去る12月末に病のためご他界されたことは誠に痛恨の極みであり、先生のご安眠をお祈り申し上げますとともに、この作文集を謹んでご霊前にお捧げ申し上げます。
世界遺産を鎌倉に!私の提案
鎌倉市立岩瀬中学校 2年 池田 朱里
鎌倉では世界遺産に向けての運動が盛んに行われている。私も鎌倉が世界遺産登録されることを願っている。登録を目指す理由は、世界遺産に登録すれば、鎌倉にある歴史遺産を後世に伝えることができるからである。
この鎌倉を世界遺産に登録し、人類共通の財産として保全していくことは私たちの使命ともいえるだろう。そして、その使命を果たした時、鎌倉の魅力である武家文化の歴史遺産を世界中の人々に伝えることができるのだ。
さらに、世界遺産登録への推薦を目指すことによって、関係行政機関や地元住民が一体となり、鎌倉のよりよい新たな町づくりにつながるにちがいない。
では、鎌倉が世界遺産に登録されるためには何が必要だろうか。私は、鎌倉の特徴をもっと前面に出すべきであると考える。なぜなら、すでに登録されている京都・奈良と比べると「古都」という点では特徴が似ていて、
世界遺産登録に至らないと思われるからである。鎌倉は日本史上初めて登場した、武家よって築かれた東国の政権都市である。鎌倉幕府を開いた源頼朝は要塞となる地形を選び、さらに人工的に手を加え、より防衛力を高め、
鎌倉に幕府をおいた。私たちはその点に着目し、特徴として打ち出そうとしている。この武家文化は明らかに京都・奈良にはない特色であり、それを前面に打ち出すことによって鎌倉の独自性をアピールすることができる。
この独自性が認められない限り、世界遺産に登録されることはないだろう。時が流れ、新しい町づくりや開発の中、鎌倉の重要な文化財が失われてしまうかもしれないという不安もある。
世界遺産登録を目指すには、まず、ここ鎌倉だけにある武家文化を出していくべきなのだ。また、都市に隣接しながら残っている海や山、実はここにも文化的価値があるのだが、豊かな自然にも目を向け、鎌倉の良さをアピールしていけばよいと思う。
ところで、世界遺産登録地にはそれぞれ後世に残したいものが必ずある。鎌倉は後世に何を残すのか。私はここ鎌倉にあり、鎌倉そのものともいえる武家文化を、日本の歴史や文化に多大に影響を及ぼした武家文化を後世にまで守り伝えていきたい。
一例を挙げれば、鎌倉時代、武士や民衆に流布し、鎌倉新仏教といわれた禅宗・浄土宗・時宗・日蓮宗などの宗派は、武士の中にも広まり、全国に広まっていった。その寺々は、今生活しているこの町にある。
武家文化を後世に伝えることは、鎌倉独自の歴史遺産が人類共通の遺産として世界的に認められることでもある。だから私は、今生活しているこの町鎌倉にある武家文化、目に見える文化も目に見えない文化も守り続けていきたい。
以上、述べてきたように、私は鎌倉の世界遺産登録を心から願い、それらが人類の歴史上共通の宝となることを信じてやまない。これが鎌倉に住む私からの提案である。
世界遺産を鎌倉に!私の提案
横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉中学校 1年 渡邊 香里
世界遺産は、「人類共通の宝」となるものです。私達が住み、通っている学校が人類の宝の中にあるということになれば、これほど誇りになることはありません。
しかし、世界遺産に登録されるということは、とても難しいことでもあります。人類の宝になる訳ですから、いろいろな条件を満たさなければなりません。
世界中の人達を迎える準備をしたり、景観・環境問題を解決していき、自信をもって「鎌倉は普遍的な価値があり、後世に残していくために守らねばならない」といえなければ世界遺産にふさわしいとは思えません。
ですから、まずは鎌倉の住人である私達が意識を高め、町を美しくしていく必要があります。
また、形だけではなく、鎌倉に住んでいる私達が世界中の人達に温かく接することが大切だと思います。観光に来ている人に、何か尋ねられたら、笑顔で親切に答えてあげればどちらも温かい気持ちになれると思います。
「鎌倉は物だけが美しいのではなく、人も温かいな」と訪れた人に思ってもらえれば、鎌倉は本当の人類の宝になれるはずです。
鎌倉を訪れた人達が温かい気持ちになるのは、自然の力の影響も大きいと思います。鎌倉には三大緑地があり、そこにしかいない生物も生息しています。自然は、人の心を温かくしたりする、人間には説明できない力を持っていると思います。
それを守るのは私達であり、それを守ることは世界遺産登録を目指す私達の任務です。
では、私達がこれらのことを成し遂げるためにできることは何でしょうか。
まず、鎌倉の町を清潔に、より美しくしませんか。ゴミを道に捨てない、道路を汚さないといった本当に基本的なことでも、鎌倉が汚れていくのを止めることができます。よりきれいにするためならば、道ばたに落ちているゴミを拾ったりしましょう。
一人一人が意識を持ってやれば、とても大きな力になると思います。道路だけではなく、山・海でも同じことをすればますます「ゴミのない町」になっていきます。
また、鎌倉の町の歴史をまずは自分が知り、歴史的建造物をよく理解することができれば、観光に来た人達に教えてあげることができます。美しい建造物と鎌倉に住む人の優しい心があれば、この町を訪れた人は本当の鎌倉の美しさを分かってくれると思います。
鎌倉に古くから残る寺社、豊かな自然、それに人の心が加われば、鎌倉は本当に世界に誇れる町になるでしょう。そうすれば、世界中の人がこの町を人類共通の宝だと認めてくれると思います。
そうすれば鎌倉は、世界遺産登録というスタート地点に、必ずたつことができると思うのです。
世界遺産を鎌倉に!私の提案
鎌倉女学院中学校 1年 藤田 藍子
鎌女生になり、毎日横浜から鎌倉に通うようになって三ヶ月が過ぎました。鎌倉はついこの前までは、教科書にのっている歴史的な土地で、小学校の遠足でわざわざ訪れる特別な場所でした。
そこに毎日通うことができるだけで満足だったのですが、その鎌倉が「世界遺産」になったら、もっとすごいことだと思います。
インターネットで世界遺産について調べてみると、「遺跡や景観、自然など、人類が共有すべき価値のあるもの。」「将来にわたって保護や管理がなされなくてはならない。」という点で、鎌倉はまさにぴったりの場所のような気がします。
しかし、世界中にはこの条件に当てはまる場所はとてもたくさんあるように思います。
その中から鎌倉が世界遺産に登録されるためには、どうしたらよいのでしょうか。
「世界遺産」に登録されている場所で、私が行ったことがある所と鎌倉を比べて、鎌倉がまだ選ばれていない理由を考えてみました。
まず私は、八幡宮などの歴史的な建物と商店街との雰囲気にギャップがあるように思います。小町通りは活気があって大好きですが、世界遺産の小道としては違和感を感じます。
どこかもっと町全体が、古都鎌倉らしく統一される方法はないでしょうか。質実剛健で落ち着いた町並みにプロデユースできたらよいのではないか、と思います。
それから、観光シーズンに鎌倉の混雑した場所を歩いていると、観光客、特に外国人のお客さんの表情がげっそりしていることに気がつきます。ディズニーランドのような人混みだからだと思います。これを改善できないでしょうか。
ドイツにはパークアンドライドというものがあると、社会の授業で習いました。鎌倉にもそれを取り入れることはできないか、と思います。
お寺などの近くの駐車場はお年寄りや障害者専用にして、車の乗り入れを制限し、思い切って若宮大路を歩行者天国にするとよいと思います。
人力車がもっと普及すればよいのですが、観光のスポットを結ぶ車(できればハイブリットで)を走らせ、江ノ電と共に一日乗車券を作るのもよいと思います。
それから、景観の障害にならないような分別ゴミ箱や、歩き疲れた人がゆっくりできるような休憩所やベンチなども必要だと思います。
鎌倉は古都ではあるけれど、実際には私たちが学校に通ったり、生活したりする人も大勢いる都市なので、町全体が鎌倉時代そのままでいることはできないと思います。
でも、訪れた人が、「別世界」を感じることができるような雰囲気が、鎌倉駅に降りた時から感じられたらいいな、と思います。
世界遺産を鎌倉に!僕の提案
鎌倉学園中学校 2年 景山 拓生
僕は横浜市に住んでいるので、鎌倉市という場所は行ったこともなく、あまり鎌倉市に興味がありませんでした。しかし中学受験をして鎌倉市の中学校に通っている今では、鎌倉市という場所が身近に感じられるようになりました。
鎌倉市と横浜市を比べると鎌倉市の方が自然が多く建物が少ないので、田舎のように感じました。
そんな鎌倉市が世界遺産になるための僕の提案が四つあります。
一つめは自然を保護することです。鎌倉市にはたくさんの自然がありますが、住宅地や商店街がたくさんできると、自然が壊されてしまう可能性が出てきます。
そうならないように住民みんなで協力して、鎌倉市の自然を大切に保存していく必要があると思います。
二つめは鎌倉市に歴史資料館を作ることです。鎌倉市には源頼朝、鎌倉幕府などの有名な歴史があります。また、鎌倉市は観光地で観光客がたくさん来るので、鎌倉市に歴史資料館を作れば、たくさんの人達に鎌倉の歴史を知ってもらうことができると思います。
三つめは鎌倉市の寺や神社のところどころに説明が書かれている看板の数を増やすことです。そうすればただ観光客が寺や神社の中を見るだけでなく、その寺や神社のくわしい歴史までも観光客に知ってもらえるからです。
四つめは市の至るところに地図を大きく掲示することです。
建長寺の中を通ってテニスコートへ行く時建長寺を見に来ている観光客によく道を聞かれます。だから建長寺の中に地図が書かれている掲示板を作ってほしいです。そして地図を大きく掲示すれば、観光客もスムーズに観光することができると思います。
鎌倉市が世界遺産に登録されたら、住んでいる住民も鎌倉市に通学している学生達もうれしいことでしょう。
そのために、みんなで協力して鎌倉市が世界遺産になるために自然を大切に守っていかなければいけません。僕もゴミをポイ捨てしないなどの小さなことから一つ一つ気をつけていきたいです。そして、鎌倉市が世界遺産になった喜びを将来味わいたいです。
鎌倉を世界遺産にするために
鎌倉市立深沢中学校 3年 新井 梨良
私の父は1年ほど前から、「鎌倉検定」と「世界遺産検定」を受けたいと、勉強していました。私はあまり興味がありませんでしたが、最近テレビでも、世界遺産の特集があったり、
ニュースで耳にしたりするようになり、少し父に話を聞いてみました。父は、とても詳しく教えてくれましたが、私にはまだよくわからないこともあり、色んな資料を用意して調べてみました。
鎌倉は、一九九五年に、世界遺産の暫定リストにのったのに、今だに登録されていません。そのことを、今まで私も知らなかったのは、とても恥ずかしいことだと思いました。鎌倉市民のどのくらいの人たちがこのことを知っているのでしょうか。
鎌倉市民の多くが、鎌倉の文化遺産を守ろうという気持ちがなければ、鎌倉が世界遺産に登録されるのは、もっと先になってしまうかもしれません。父から鎌倉市は路上喫煙の防止条例が、
まだ制定されていないから、道ばたにもゴミが多いのかもしれない、と聞きました。私は犬の散歩に時々行きますが、犬が何かを拾って食べてしまわないように注意しなくてはなりません
。散歩をしながらたばこを吸っている人もいます。鎌倉駅周辺の、観光地だけではなく、鎌倉市に住むひとりひとりの気持ちの中に、町をきれいにする気持ちがなくてはならないと思います。
鎌倉の色々なお寺や、海だけを一部の人たちだけが一生懸命きれいにしても、それは長く続かないし、本当の意味で、鎌倉がきれいになったことにはならないと思います。
そのためには、世界遺産の登録を目指しているという鎌倉市のことを、小学校や中学校の授業に取り入れて、勉強してみたらどうでしょうか。鎌倉市が世界遺産に登録されたら、私はきっと誇らしく思うにちがいありません。
もっと鎌倉の歴史について学んでみようと思う小中学生が、きっと増えていくと思います。
私はもう少し世界遺産について知りたくなりました。小学校の修学旅行で行った日光、家族旅行で行った京都のたくさんのお寺や神社が、世界遺産だということは知っていましたが、
あまり意識していなかったので、これからは、違った目をもって、鎌倉市のことを考え、見つめていきたいと思います。
鎌倉を世界遺産にするために
鎌倉女学院中学校 1年 大野 春香
7月12日の読売新聞夕刊に、世界遺産についてのコラムが載っていた。そこには、「世界遺産は人を引き寄せる観光資源。(屋久島の)ごみや(イタリアの大聖堂の)落書きがそれを物語っている。
岩手県の平泉は世界遺産登録が見送られた。登録されるのも大変。登録されてからも大変。それが世界遺産のようだ。」と、書かれていた。
私は、鎌倉が世界遺産に登録されることについては賛成だ。世界遺産に登録されることで「鎌倉」の知名度が上がり、世界中の人達が来てくれる街になれば、私が「鎌倉」にある学校に通っていること自体が誇らしく思えるようになるからだ。
だが、観光客が現在以上に増えることによって、道路の渋滞が増えたり、大量に出されるゴミの処理問題への対応など、様々な問題も増えて、「大変」にもなる。
鎌倉を世界遺産に登録し、国際的な観光地にすることをめざすためには、このような問題を解決し、観光客はもちろん、地元の住民も快適に過ごせる街にしていかなければいけないと思う。
例えば、市内の渋滞の発生を抑えるためにパークアンドライド方式を推進する一方で、観光地である寺や神社を回るバス路線を充実するなどの交通整備を進める。
この際に、観光用の路線と生活用の路線をわかりやすく分ければ、よりスムーズに観光や生活を行うことができるだろう。
また、観光客の増加に伴うごみの処理が、鎌倉市民の重い負担にならないようにすることも大切だ。例えば、観光客に「ごみの持ち帰り」を啓発する看板の設置や、
市内で販売するペットボトル等へのデポジット制度の導入で、ごみは減らせるのではないだろうか。
また、飲食店に「少なめメニュー」を設けてもらうことは、食べ残しの発生を減少させることにつながるだろう。街全体でごみ問題に取り組んでいる姿勢を示すことは、世界遺産の街としてもふさわしい行動だと思う。
他にも、観光地の案内看板の多言語化の推進や、歴史散策、名物の食べ歩き、季節の花の観賞等、目的に応じた観光コースマップを作るのも、観光客に役立つ情報となるだろう。
しかしいちばん大切なのは、この街を訪れる人たちを迎える際の、「ようこそいらっしゃいました」という心構えであると思う。これは、鎌倉に住んでいる方々はもとより、鎌倉に通学している私たちも心掛けるべきことである。
鎌倉には、観光客にも地元の人にも快適で住みやすい、明るい街のまま世界遺産に登録されてほしいと思う。
鎌倉を大切に・・・。
鎌倉女学院中学校 1年 土屋 彩花
「元々の知名度が高く、魅力的な物。」これが世界遺産で、だから世界遺産は守られ
ていると思っていた。しかし少しだけ違っていた。
まず、インターネットで調べてわかったが、実は世界遺産の登録に知名度はあまり関
係なく、担当政府機関に認められることが大切で、登録されても六年ごとに状況を報告しなければならない。肝心かなめは永久に美しくある事だ。
鎌倉を世界遺産にするには、PRや知名度を上げるよりも、街をどれだけ魅力的に見せるかが問題だ。そこで、少しでも自分達で出切る事を考えてみた。
第一に、人は普通、きれいなところの方が良いはずなので、清掃ボランティアなど鎌倉を美しくする為の活動をする事だ。ただ広報などでボランティアを募ってもあまり集まらないと思われるので市内の中学校で交代でやる。
勿論、協力してくれる方がいたら、一緒にやってもらう。自分達にその役目がまわってきたら、人が多く、大変だとは思うが、頑張りたいと思う。
第二に、外国人観光客の方々は英語を話している方が多いと思うので、学校でしっかり英語を勉強し、会話を重視する事だ。鎌倉或いは日本の文化について外国の方に聞かれたら、
それは外国の方が鎌倉や日本について興味を持っているということなので、しっかり答えられるようにしたいと思う。それ以外の語学も身につけられれば更に良い、と考える。
第三に、観光できる場所について知ってもらうこと事だ。観光案内所を増やすのが良いが、お金がかかるため、小町通りなどの人通りの多いところで募金活動をしたり、
コンビニや商店に募金箱を置かせてもらったりしてお金を集め、紙を購入し、ポスターを市内の小、中、高に書いてもらう。中学校、高校は英語のポスターも作る。
そして、書いたポスターを鎌倉駅前にある観光案内所や街の中のあちこち、いろいろなところにはってもらう。誰にでもわかりやすいポスターを作れるよう努力したい。
第四に、自分達が鎌倉について知識を深め、いつ、どんなときでも人に説明できるようにする事だ。例えば、学校の図書室に鎌倉についての本を多くいれてもらったり、総合の時間に鎌倉について学習したり。
また、私達鎌倉女学院でやっている「鎌倉学」の様な授業が市内の学校にもっと沢山広まったら良いと思う。
これまでは、あまりきちんと考えたことがなかったが、ほんの少し考えてみるだけで、こんなに出てくる。そして、やはりPRも重要なものだと思うので、
姉妹都市のテレビ等でも、このような活動について報道してもらえるとよい、と考える。まずなによりも、鎌倉にいる人々が鎌倉を愛し、永遠に魅力的なところにすることがとても大切だと感じた。
世界遺産を鎌倉に!私の提案
鎌倉女学院中学校 1年 中 千夏
はじめて鎌倉に来たときに「何だか空気が違う」と思いました。それは何故か、考えてみました。
都会から離れて空気がきれいだから。自然が残っていても緑が多いから。歴史のある神社仏閣や文化財があるから。海が近いので潮風が香るから。
そんな鎌倉に惹かれてたくさんの人が訪れています。通学の際に出会う観光客の楽しそうな笑顔も、鎌倉をどこか他の場所と違って感じる理由の一つなのかもしれません。
鎌倉が世界遺産になるためには、何が必要なのでしょうか。日本だけではなく、海外の世界遺産になっている場所も思い出してみました。どこも有名な名所旧跡のある場所であることは確かですが、それだけではありません。
共通していることは、歴史のある景観が広い範囲で自然と共に守られ伝えられていることです。
世界遺産として誇れる、鎌倉の特色を考えてみました。鎌倉は武家の古都、サムライの故郷です。数多くの歴史ある風景が守られています。鎌倉幕府の名残と共に、「禅」の精神を伝えるお寺や季節の花々が美しいお寺といった、
歴史のある風景があります。歴史的景観だけではありません。町のすぐそばなのに深い山道を歩いているような気持ちになるハイキングコースや、江ノ電に揺られて楽しむ昭和の香りのする景色もあります。海に出ると波と戯れる人々もいます。
その海辺の地名にもさまざまな由来があるのです。鎌倉は、観光で人を集める為に守られてきたのではなく、人々が暮らしの中で大切に守り、育ててきた場所だと思います。
そんな鎌倉の魅力を世界中の人に知ってもらう方法を、私なりに考えてみました。子どもから大人まで皆に知ってもらえて日本から世界に広がるものといえば、「アニメ」ではないでしょうか。
鎌倉を舞台としたアニメが広まれば、世界中の人に鎌倉が愛されていくと思います。
私は鎌倉の学校に通いだしてまだ数ヶ月しか経っていません。もっともっとたくさん伝えることがあるはずなのに、知らないことばかりなのが悔しいです。見たい場所や知りたいことが私にはまだたくさんあります。
これからしっかり勉強して、自分が感じたことを自分の言葉で世界中の人に伝えていけるようになっていきたいと思います。
世界遺産を鎌倉!私の提案
横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉中学校 1年 後谷 斗馬
これまでの日本の世界遺産と鎌倉について比較してみると、あまりこれといった違いは見つからない。鎌倉も世界遺産になれる素質は十分にある。
しかし、何かしら策をとらなければ鎌倉を世界遺産にすることは難しい。そこで、私の考えた案は大きく分けて二つある。
一つは、今の日本にとっては欠かすことのできない存在となっている、アニメやゲームやパーソナルコンピューターなどのコンテンツ産業を活かしたホームページを作ることで鎌倉を世界にむけて発信していくということが、私の案である。
ポスターやなげかけといった物は、現実的に考えると、あまり効果はないように思える。それは、ポスターの書き方や作り方によって人の目を引くポスターになるか、人の目を引かないただの虚しい張り紙となってしまうかが決まってしまうからだ。
又、人の目を引くポスターを作ることは創造力が豊かでないと難しい。たとえ人の目を引くポスターが作れても、その情報が人に伝わる範囲が限られている。
ましてや、その情報が世界に伝わるとは考えられない。なので、世界中の人々が使い、そして情報が広まりやすいパーソナルコンピューターでホームページを作るという策が良いと思う。
そのホームページの内容として、例えば、グーグルのストリートビューを使い、鎌倉の風景や、自然を映すのも良いと思う。
しかし、このような活動だけではたりない。鎌倉をまわりになげかけるだけではなく、鎌倉自体にも磨きをかけていかなければならない。そこで、私の考えたもう一つの策は、今まで市内で行ってきた地道な作業が大切になってくると思う。
色々な人にホームページでよびかけをするならばそれ相応のものにしなければならない。そのために、例えば、鎌倉の清掃活動などを鎌倉市全体で取り組み、鎌倉をきれいにすることがとても大切なってくると思う。
鎌倉は一方を海に、三方を山に囲まれているため自然がとても多い。しかし、観光客たちが、ごみを海などに捨ててしまうため、夏場などは、ごみの量がとても多い。しかし、そのようなことがなくなれば、鎌倉も少しずつきれいになっていくと思う。
又、鎌倉は歴史や文化が多いが、町の範囲がせまいので、案内所や案内人をもっと増やし、鎌倉の町の説明や、解説をしてもらえると、もっと良くなっていくと思う。
このような地道な努力は先ほどにも言ったように一見なにもないように見えるが、努力を持続することで、とても大きなものになる。
私はこの作文を機に鎌倉の世界遺産活動にもっと取り組めれば良いと思っている。
世界遺産を鎌倉に!私の提案
鎌倉女学院中学校 1年 松本 小夏
鎌倉は、日本国の世界文化遺産として平成四年に国が作成した「文化遺産暫定一覧表」に掲載され、ユネスコ世界遺産委員会に提出されています。すでにこのような活動が行われていることを、私は今まで知りませんでした。
鎌倉がまだ世界遺産に登録されていないのにはいくつかの理由があります。一つは、鎌倉には中世の政権都市の骨格を示す土地の区画や道路・寺などは存在するものの、中世や近世から続く町並みは存在しないことです。
幕府滅亡後、歴史の中で栄えたり荒廃したり保護されたりしてきた鎌倉は、明治政府による神仏分離・廃仏毀釈により荒れてしまい、現在も完全には復興していません。
もう一つは、住宅地などの増加です。マンションなどが増えたことで、世界遺産としてふさわしくないと考えられているのです。他にもたくさんの理由があることが、いろいろと調べてみて分かりました。
鎌倉は世界遺産の登録基準である「ある期間、あるいは世界のある文化圏において、建築物、技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展における人類の価値の重要な交流を示していること。」は充分、満たしています。
では、足りないのは何なのかということを調べてみると、世界遺産登録について取り組んでいる団体があることがわかりました。
その団体の提言を読んで私が考えたのは、鎌倉が世界遺産に登録されるには、市民の理解が必要だということです。世界遺産登録の目的とは、身近な自然や文化を大切に思い、
住民も誇りとして受け止め、歴史的なものや文化財を守ろうと努力しながら、その素晴らしさを後世に継承していくことだと思うからです。
しかし市民の中には、世界遺産登録による観光客の増加をあてこむことや、世界遺産登録については漠然と賛成するが、さらにさまざまな規制がかかるのではないかということに不安を感じている人も少なくありません。
実際問題としては、古いお寺や大仏などの保存、保護にかかるお金を、観光の売り上げから税として設けたり、学校などで募金活動を行ったりできると思います。
しかし、一番大切なのは、住民が世界遺産登録をまち全体の問題としてとらえ、よりよいまちづくりの契機としていくことです。
寺社や歴史的なものを大事にしていこうという意識を向上させるために努力することは、私達にも簡単に出来ることだと思います。このような少しずつの心がけで、私も次世代に伝統的な技術などを伝えたいと思います。
世界遺産を鎌倉に!私の提案
鎌倉女学院中学校 1年 遠藤 春花
鎌倉は武家が自らつくった初めての都市である。そしてその都市構造が現在まで良好に残されているのは、日本でただ一つ、鎌倉だけなのだ。私は、この古都の風格を次世代に残していきたいと思う。
世界遺産に登録するということは、歴史的遺産を大切に守ることを、世界に向けて示すことであり、また、世界に対して責任を持つことである。だから私は、世界遺産登録後の事も考えなくてはならないと思う。
まず、外国人観光客へのサービスをもっと充実させないといけない。その一つとして、地図の配置があげられるだろう。私は、外国人が道に迷っているのをよく見かける。
声をかけてくる外国人もいる。それは地図がわかりづらいからだと思う。地図は、大きな通りや人通りの多いところにはあるが、少し道をはずれるとあまり見つからない。そのうえ地図は複雑で、英語では書かれていないものも多い。
つまり、外国人にもわかりやすい地図をもっと配置するべきなのである。
次に、ゴミの問題がある。富士山はゴミが多いという理由で世界遺産に登録されなかったのだから、同じ理由で鎌倉が登録されないこともあり得る。仮に登録されたとしても、観光客が増えると共にゴミも増えてしまうだろう。
その大きな原因は食べ歩きだと、私は考える。食べながら観光地を回り、そしてその容器を道に捨てていってしまうのである。だから、店のそばにベンチを置けばよいのではないだろうか。
観光客は食べ物を買い、そこで食べていけば、ゴミは店で捨てられる。歩道へのゴミ箱の設置は、テロ問題をかかえる今は難しいだろうが、ポイ捨て禁止のポスターを貼ったりするなど、今は他の対処の仕方があると思う。
鎌倉には、鶴岡八幡宮、建長寺、円覚寺など二十四個もの候補遺産がある。それを、ゴミが多いなどの理由で世界遺産に登録できないと言うのは、大変もったいないことだと思う。だから、市はもっとゴミ問題に力を入れるべきなのである。
そして、観光施設も整い、美しい自然に恵まれ、古都としての風格を保った鎌倉を、世界にアピールしていけばよいのだ。
世界遺産を鎌倉に!私の提案
鎌倉学園中学校 1年 込山 智昭
僕は、鎌倉を世界遺産にしようとするのはとても良いことだと思います。まだ世界遺産になっていない鎌倉でも世界からの観光客が多いです。だから鎌倉が世界遺産になるためにはあともう一歩だと思います。
そのためには僕は二つのことをやらなければならないと思います。
一つ目は標識についてです。僕が通っている鎌倉学園中学校は北鎌倉駅で降りて建長寺の隣にある学校へ行くのですが、北鎌倉駅から建長寺に行くまでで英語の標識を見たことがありません!
あったとしても全然目立っていません!それでは世界遺産になって外国人観光客が訪れても英語の標識がないために困ってしまい結局観光客が減ってしまいます。だからもっと英語の標識を作り、目立たせるようにしたほうが良いと思います。
二つ目はゴミについてです。だいたい昼頃観光客が来て、その観光客はソフトクリームを食べながら歩いています。ソフトクリームにはコーンがあり、その部分に円錐の形の紙が付いています。
それを捨てる人が多いです。さらに自動販売機で買ったビン、缶、ペットボトルなどが通路に落ちています。このようにたくさんゴミが落ちていたら世界の人が鎌倉を世界遺産として認めてくれません。
日本一高い山の富士山もゴミが多く今は世界遺産ではありません。だからゴミを捨てないということを徹底したほうが良いと思います。しかしゴミはすぐ減らないと思います。
だから是非一度鎌倉に来たときにはゴミを捨てず、ゴミ箱に入れ、落ちているゴミをゴミ箱に入れるなどして下さい。そうすれば、ゴミは一つずつ減っていくと思います。ゴミが減れば鎌倉は世界遺産になれると思います。
このようなことを直せば鎌倉は世界遺産になれると思います。僕は小学生の頃、「鎌倉見学」という学校内の行事で行ったことがあるのですが、そのとき受けた鎌倉の印象はとても緑が多いということです。
その「鎌倉見学」のとき行った道は、北鎌倉駅を出て、円覚寺、明月院、建長寺、鶴岡八幡宮、銭洗弁天、源氏山公園の順に行くものでしたが、特にすごいと思ったのが「明月院」です。明月院はもう入ったらあじさいです。一分間歩き続けてもあじさいです。
こんなにあじさいがあるなんて、鎌倉は自然で満ちあふれているなあと思いました。あと実際行ってみてわかりにくかったことは、円覚寺に入り口が二つあることです。これは何ともできませんが、一般の方が入る方の入り口を目立たせた方がいいと思います。
このように世界遺産になろうとしている鎌倉にはたくさん課題があります。その課題を直していけば世界遺産に近づくはずです。しかし、ゴミの問題は一人では解決されません。だから、一人一人の協力がなければ、
この問題は解決されません。だからゴミの管理はしっかりやりましょう。そうすれば鎌倉は世界遺産になれると思います。
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