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第6回 「世界遺産登録後の鎌倉を見据えて
 − その趣 (おもむき) と理 (ことわり) −」(平成24年)
報告4頁

 
鎌倉の趣を写す

 この2ページでは、鎌倉市観光協会のフォトライブラリーに載る数多くの写真と、従来のワークショップ報告書で用いた数枚の写真により、鎌倉の「おもむきのある場」を感じていただこうと考えた。
 ワークショップの討議と直接的な関係はないが、鎌倉にあるそうした場所を視覚的に感じてもらうことに、意義があるだろうと考え、編集側で用意した。

[注] (p)/鎌倉市観光協会提供写真  (k)/草場圭三撮影  (f)/福澤健次撮影

若宮大路二の鳥居周辺 春の鎌倉 大仏
  若宮大路二の鳥居周辺 (f)

  春の鎌倉大仏 (p)

〜山とまちと海〜
源氏山公園 本覚寺/街中の寺
  源氏山公園 (p)

  本覚寺/街中の寺 (p)

東慶寺遠景 光明寺裏山から
  東慶寺遠景 (p)

  光明寺裏山から (p)

花火大会  
  鎌倉花火大会 (p)

 
〜山際の景観〜
山裾のお堂 東慶寺の岩がらみ
  山裾のお堂 (p、長谷寺提供)

  東慶寺の岩がらみ (p)

〜踏切や路地〜
海、国道、江ノ電踏切/瞬間 路地
  海、国道、江ノ電踏切/瞬間 (p)

        路地 (p)

北鎌倉 横須賀線 中世-明治-いま  
  北鎌倉 横須賀線 中世-明治-いま (k)

 
〜寺院境内〜
建長寺仏殿/柏槇) 安国論寺/黄葉
  建長寺仏殿/柏槇 (f)

  安国論寺/黄葉 (p)

〜近代以後の建物、施設〜
御成小学校
極楽寺駅
  御成小学校 (f)

  極楽寺駅 (p)

ライトアップ鎌倉文学館  
  ライトアップ鎌倉文学館 (p)

 
〜行事〜
御霊神社面掛行列 鶴岡八幡宮例大祭
  御霊神社面掛行列 (f)

  鶴岡八幡宮例大祭 (k)

船おろし 坂ノ下海岸  
  船おろし 坂ノ下海岸 (p)

 
〜道と湊跡〜
若宮大路
朝夷奈切通
  若宮大路 (p)

  朝夷奈切通 (p)

和賀江嶋夕景  
  和賀江嶋夕景 (p)

 
 鎌倉地域以外にも多くの趣のある場所がある。 フォトライブラリーには大船観音寺も入っている。 また小町通りや御成通り、大船仲通りなどの商店 街、そして住宅地などにもそれぞれの味があり、 人の往来などに趣を見出す人もいる。人それ ぞれに、感じる鎌倉の場の趣があるのだろう。

 
ワークショップ参加者一覧

(敬称略)
●討議参加者・居住地
テーブルA1(山・海とまち)テーブルC(文化都市をめざす)
 山村みや子鎌倉市 進行役 能登原 秀実鎌倉市 進行役(協議会)
 岩城 秀卓鎌倉市 進行役(市職員) 草場 圭三横浜市 進行役(協議会)
 荒井 幸子鎌倉市(協議会) 阿曾 千代子鎌倉市
 香山 隆茅ヶ崎市(協議会) 奥谷 多作鎌倉市
 藤井 正弘鎌倉市 鈴木 伸治逗子市(市職員)
 山本 徳樹鎌倉市 高木 規矩郎鎌倉市(協議会)
   源 光士郎鎌倉市
   他1名 
テーブルA2(山・海とまち)  
 関沢 勝也逗子市 進行役(市職員)  
 金子 智哉横浜市 進行役(市職員)アドヴァイザー
 卯月 文鎌倉市(協議会) 木下 直之鎌倉市(東京大学大学院教授)
 伊達 美徳横浜市 赤川 学東京都(東京大学大学院准教授)
 藤原 則夫逗子市  
 宮田 一雄鎌倉市(協議会)  
  巡回相談役 
   内海 恒雄鎌倉市(協議会広報部会長)
テーブルB1(観光と住生活) 島田 正樹鎌倉市教育委員会文化財部長
 征矢 剛一郎横浜市 進行役(市職員)           比留間 彰鎌倉市政策創造担当担当部長
 鎌田 宏司中井町 進行役(市職員)  
 阿部 廉鎌倉市  
 柿澤 昭治鎌倉市(協議会)総括進行役
 篠原 衛鎌倉市 福澤 健次鎌倉市(協議会)
 田辺 洋武鎌倉市  
 吉岡 伸鎌倉市  
  事務局
   吉田 浩鎌倉市世界遺産登録推進担当担当次長
テーブルB2(観光と住生活) 熊澤 隆士鎌倉市世界遺産登録推進担当
 大江 尚茅ヶ崎市 進行役(市職員) 箱崎 英里子鎌倉市世界遺産登録推進担当
 落合 良恵鎌倉市 進行役(市職員)  
 阿部 能久鎌倉市 (市職員)  
 齋藤 眞康横浜市報告書編集
 古沢 俊博鎌倉市 福澤 健次鎌倉市(協議会)
 久恒 利之鎌倉市 伊達 美徳横浜市
 松澤 優子鎌倉市 箱崎 英里子鎌倉市世界遺産登録推進担当

 
あとがき

 ワークショップ後できるだけ間を置かず、報告書をまとめようと作業を急いだが、年を越し平成25年の発行となってしまった。
 今年の6月には鎌倉の世界遺産登録の結果も分かる。東北大震災が起きてからは、ほぼ2年が経つ。鎌倉の山は世界遺産の推薦に関し、大きな要素になったが、海の方は、ワークショップでは景観の他に、大津波対策が話題となった。

 関東大震災後、後藤新平が東京改造に取り組んだが、大災後には思い切ったまちづくりが要請され、それは近代技術を駆使する思い切った大改造となる。ところが、今回は千年に一度来る災害に対する判断の問題である。しかも中世以来のサムライの本拠地が周囲に残ると、世界遺産に名乗りを上げている都市である。

 巻頭文を書きつつ、何度となく伊達兄と議論を重ねた。その結果が総括役報告文である。
 今回はそうしたまちづくり問題とともに、文化都市としての鎌倉の将来に関しても考え始めるきっかけを掴みたかった。鎌倉は蘭渓道隆が臨済禅をもたらした町で、その伝統は近代にまで受け継がれ、鈴木大拙や西田幾多郎が書斎を構えた所である。明治以後はキリスト教も盛んである。

 東北大震災後にいち早く、神仏にキリスト教も加わり、三教合同の慰霊・復興祈願の催しが起り、継続している。これには宗教者だけでなく市民達も準備に係わった。どちらかと言えば今はアートに係る市民が多い町だが、いざという時には思想の力も遺伝子として伝えられている町だと思う。

 そうした下地をもつ市民たちの催しに、うってつけの助言者お二人を迎えることができた。先生たちのコメントをよく読んでいただきたい。

 報告でも触れたかったのだが一番大切なこと、いま何が最も必要で、どう取り組んでいくべきかを、投げかけていただいたと思う。
(福澤)



 これまで福澤兄を手伝っての毎回の編集作業は、PCのMSWORDの操作指南役であった。さすが6回目ともなると、わたしの役割はほぼなくなったと思ったら、これが最終号であるらしい。

 昨秋、宮城県沿岸部の津波被災の荒涼たる街を見てきた。東北の太平洋沿岸各地では今、平地部は居住禁止として台地上に新しい街をつくって移住というシナリオの復興街づくりが進む。

 ハッと思いついた。実は鎌倉もそうなる日が確実にありうるのだ。富士山も噴火するかもしれない。そうなると登録されたとしても世界文化遺産はどうなるのだろう。

 海底のトラフと聳え立つ活火山という自然遺産に対して、文化遺産はまったく無力か。座してその日を待つばかりか、それとも「世界文化遺産の事前復興」は可能なのか。
(伊達)



 本年度4月に世界遺産登録推進担当に異動になり、今回が私にとって初めてのワークショップでした。

 今回のワークショップを通し、鎌倉での市民運動が古都保存法制定の原動力となったように、鎌倉の魅力を後世まで守り伝えていきたいという強い思いが脈々と受け継がれていることを、直接テーブルでの意見交換には参加していないながらも肌で感じることができました。

 また、多くのテーブルで、それを実現していくためには、市民と行政との「協働」が重要であるという意見が出ていたことも特徴の一つであると思います。

  本報告書の中で、赤川先生に鎌倉市の協働事業についてお褒めの言葉をいただきましたが、それに甘んじず行政も努力を続けていかなければなりません。

  今回のワークショップのように、自分の意見を発信することによって考えを整理することや、他の人の意見を聞いて視野を広げ、意見をまとめ共有していくことは、協働の第一歩であるとともに、まちづくりにもつながる作業だと言えるのではないでしょうか。

  もう一つの成果として、今回の裏のテーマであった、「若者の参加」についても、全体に占める若者の人数は少なかったものの、参加していただいた多くの「若者」から、「勉強になった」「また参加したい」等の感想をいただき、ひとまず達成できたのではないかと思っています。世界遺産登録後も鎌倉のまちを後世に伝えていくためには、若い世代が真剣に鎌倉らしいまちづくりを考えていかなければならない時期にきているということを、ワークショップの中でそれぞれの世代の方が確認しあったように思います。

 最後になりましたが、多くの方々のご協力でワークショップの開催・報告書の完成ができましたこと、この場をお借りして心から御礼申し上げます。
(箱崎)



世界遺産登録後の鎌倉を見据えて
―その趣と理―
ワークショップ実施報告書

2013年1月18日 発行

−発行者−
鎌倉世界遺産登録推進協議会
市民フォーラム実行委員会

−問い合せ先−
事務局:鎌倉市世界遺産登録推進担当
Tel. 0467-61-3849

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