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世界遺産とは

1.世界遺産条約(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)

(1)条約の目的

文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存することが重要であるとの観点から、国際的な協力及び援助の体制を確立すること。

(2)経緯

昭和47(1972)年第17回ユネスコ総会において採択
昭和50(1975)年条約発効
平成4(1992)年我が国において条約締結のための国会承認及び条約発効
平成23(2011)年10月現在で締結国数188ヵ国

2.世界遺産一覧表への記載プロセス

① 各締約国は、世界遺産一覧表への記載推薦の候補を記載した「暫定一覧表」を提出する。
② 各締約国は、「暫定一覧表」の記載物件のうち、「世界遺産一覧表」に記載する準備が整ったものを世界遺産委員会へ推薦する。これに対し、世界遺産委員会が、「世界遺産一覧表」への記載の可否を決定する。

3.世界遺産の総数

平成23年6月29日現在で936件(文化遺産725件、自然遺産183件、複合遺産28件)

4.我が国の世界遺産一覧表記載物件(文化遺産12件、自然遺産4件)

 記載物件名所在地暫定一覧表記載年世界遺産一覧表記載年区分
法隆寺地域の仏教建造物奈良県4年5年12月文化
姫路城兵庫県文化
屋久島鹿児島県自然
白神山地青森県、秋田県自然
古都京都の文化財
(京都市、宇治市、大津市)
京都府、滋賀県6年12月文化
白川郷・五箇山の合掌造り集落岐阜県、富山県7年12月文化
原爆ドーム広島県7年8年12月文化
厳島神社広島県4年文化
古都奈良の文化財奈良県10年12月文化
10日光の社寺栃木県11年12月文化
11琉球王国のグスク及び関連遺産群沖縄県12年12月文化
12紀伊山地の霊場と参詣道三重県、奈良県、和歌山県13年16年7月文化
13知床北海道16年17年7月自然
14石見銀山遺跡とその文化的景観島根県13年19年7月文化
15小笠原諸島東京都19年23年6月自然
16平泉-仏国土(浄土)を表す建築
・庭園及び考古学的遺跡群-
岩手県13年23年6月文化

5.我が国の暫定一覧表記載物件(文化遺産12件、自然遺産なし)

〔平成4年〕

①「古都鎌倉の寺院・神社ほか」(神奈川県)
②「彦根城」(滋賀県)

〔平成19年〕

③「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)
④「富士山」(静岡県・山梨県)
⑤「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良県)
⑥「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県)
⑦「国立西洋美術館(本館)」(東京都)

〔平成21年〕

⑧「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」(北海道・青森県・岩手県・秋田県)
⑨「九州・山口の近代化産業遺産群」(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県・山口県)
⑩「宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)

〔平成22年〕

⑪「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟県)
⑫「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)

世界文化遺産の登録までの手続き等

世界遺産への推薦候補を記載した「世界遺産暫定一覧表」を世界遺産委員会に提出

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推薦準備作業(顕著な普遍的価値の証明、文化財指定・選定等)

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準備が整った資産から順次推薦を決定
◆文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会
◆文化審議会文化財分科会
◆世界遺産条約関係省庁連絡会議において決定

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世界遺産委員会へ推薦書(暫定版)提出[毎年9月30日期限]
(※ 世界遺産センターによる形式審査)

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◆文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会
◆文化審議会文化財分科会
◆世界遺産条約関係省庁連絡会議において決定

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世界遺産委員会へ推薦書(正式版)提出[毎年2月1日期限]

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専門家で構成された国際非政府機関(イコモス:国際記念物遺跡会議)による
審査[約1年半の審査]
(※ この間にイコモスによる現地審査含む)

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イコモスによる評価結果の勧告(例年5月)

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世界遺産委員会で登録の可否を決定[推薦翌年の6~7月]

〈世界遺産委員会の決議は、次の4区分〉

① 記載(Inscription): 世界遺産一覧表に記載するもの。

② 情報照会(Referral): 追加情報の提出を求めた上で次回以降の審議に回すもの。

③ 記載延期(Deferral): より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの。推薦書を再提出した後、約1年半をかけて再度イコモスの審査を受ける必要がある。

④ 不記載決議(Decision not to inscribe): 記載にふさわしくないもの。例外的な場合を除き再推薦は不可。